■売却して損失が出た場合の特例について■
2023年09月18日
前橋市で活動する「前橋市不動産売買専門ナビ 甚不動産相談事務所」です。
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【特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例】
マイホームなどの不動産を売却して損失が出た場合は、その損失を他の所得から差し引ける特例があります。5年を超えて保有する居住用財産を売却した際に、住宅ローンが残っており、かつ売却損が出た場合、この売却損を一定の限度でその年の他の所得から差し引くことができ、その年に差し引きしきれなかった金額については翌年以降3年間繰り越して控除できるという制度です。
特定居住用財産の譲渡損失は、一定の条件を満たす場合に、他の所得との損益通算、または繰越控除が可能となる特例が存在します。今回の記事では、その詳細について深く掘り下げてまいります。
特定居住用財産の定義
特定居住用財産とは、主に自宅等の住宅を指します。主な内容は、下記の通り。
①現在主として住んでいる自宅を売却したとき
②居住の用に供さなくなった日から3年を経過する日の属する年の年末までに売却したとき
③家屋を取壊した場合は、上記期限の範囲内で、家屋を取壊した日から1年以内にその敷地の売却に関する契約が締結されているとき(取壊し後、敷地を賃貸その他の用に供した場合には不可)
④転勤等で単身赴任の場合、配偶者等が居住している家屋を売却したとき(但し、2つの家屋を所有する場合は、主たる居住用家屋)
※その詳細な定義や認定要件については法令に基づいて確認が必要です。
譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
譲渡損失が発生した場合、一般的には、その損失は同じ種類の所得(譲渡所得)に対してのみ通算可能です。しかし、特定居住用財産の譲渡損失の場合、所得税法上の特例により、他の所得との損益通算や繰越控除が可能となる場合があります。
損益通算の適用条件
損益通算を行うための具体的な条件としては以下のようなものがあります。
譲渡者が個人であること : 法人等の譲渡者には適用されません。
譲渡対象が特定居住用財産であること : 対象となるのは居住用の土地および建物等です。
譲渡損失が発生していること : 譲渡により損失が発生している必要があります。
譲渡した年の1月1日で、家屋と土地の所有期間がともに5年超(取得からお正月を6回迎えたもの)
繰越控除の適用条件
譲渡損失が発生した場合でも、その年の他の所得から一定の額を差し引くことはできません。しかし、特定居住用財産の譲渡損失については特例が認められており、その年に充分な譲渡所得がなかった場合、損失を繰越して翌年度以降の譲渡所得から控除することができます。この制度を繰越控除と呼びます。
繰越控除は、譲渡損失が発生した年度の翌年度から3年間にわたり行うことが可能です。これにより、譲渡所得が生じる年度が必ずしも損失発生年度と一致しない場合でも、税負担を軽減することが可能になります。
例えば、特定居住用財産の譲渡により損失が発生したとします。このとき、その年の他の譲渡所得が損失を上回らない場合でも、この損失を繰越控除として翌年度以降の譲渡所得から控除することができます。
また、繰越控除を行うための具体的な条件は以下のとおりです。
譲渡損失が損益通算により充当できない場合
→ 損益通算により損失が充当できない場合に適用されます。
繰越控除は3年間
→ 損失発生年度の翌年度から3年間、繰越控除が可能です。
まとめ
特定居住用財産の譲渡損失については、所得税法上の特例により、他の所得との損益通算や繰越控除が可能となります。この特例を理解し、適切に活用することで、税務上のメリットを享受することができます。しかし、適用条件や手続きには複雑な部分もありますので、税務専門家と相談しながら進めることをお勧めします。
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